
義歯(入れ歯について)
入れ歯は、外科手術を行わずに人工歯によって歯を失った箇所の機能を補う治療方法です。
口腔内の状況は日々変化しているため、入れ歯が合わずに痛みがある、うまく噛めないなどのトラブルが起こりやすいです。
当クリニックではお一人おひとりに合った入れ歯を製作するとともに、定期的に調整やメインテナンスを行うことで、よく噛め、お食事も楽しんでいただけるようにサポートいたします。
入れ歯治療の特徴
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Point01
外科手術が不要
外科手術を行わないため、身体に疾患をお持ちの方やご高齢の方でも治療を行うことができます。
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Point02
欠損部位に応じた様々な種類の入れ歯を選択できる
材質により保険適用の入れ歯も選べ、治療費用を抑えることもできます。
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Point03
お手入れが簡単
着脱可能なためお手入れが簡単で、口腔内も清潔に保つことができます。
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Point04
修理しやすい
壊れる、合わなくなるなどのトラブルがあった場合も修理や調整がしやすく、長く使っていただくことができます。
当クリニックで取り扱っている種類
部分入れ歯

部分入れ歯は、歯を失った箇所に部分的に装着し、周囲の歯にクラスプ(留め具)をかけることで固定する入れ歯です。
見た目が気になる方には、クラスプの無いタイプもご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。
金属床

粘膜に接着する部分が金属でできている入れ歯です。
薄いため発音や会話への影響が少なく、熱伝導性があるため食べ物の温度を感じることができ、お食事も楽しむことができます。
Meritメリット
- 保険診療のプラスチック(レジン)より頑丈で、薄く加工できる。
- 金属を土台に使うため、頑丈な義歯を作製でき、しっかり噛める。
- 金属から熱が伝わり、患者様が味覚を感じやすくなることで、より食事を楽しめるようになる。
Demeritデメリット
- 保険が適用できないため自費診療になる。
- 金属アレルギーをお持ちの患者様は使用できない可能性がある。
- 素材に重みがあるため、金属床を装着した際に違和感を覚える場合がある。
テレスコープ義歯

テレスコープ義歯とは、テレスコープシステムを採用したドイツ式の部分入れ歯です。保険診療の入れ歯のような金属のバネがなく、はめ込み式で入れ歯を固定します。装着時の違和感が少なく、長時間の装着でも快適にご利用いただける入れ歯の一種です。
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Point01
快適なフィット感
入れ歯がしっかりと固定され、ズレたり外れたりする心配がほとんどありません。
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Point02
力学的に計算された設計
咬み合わせの検査を行った上で入れ歯を設計します。咬む際に発生する力が歯・顎関節・筋肉に伝わり、歯の根にかかる力を軽減する効果が期待できます。
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Point03
自然な見た目
部分入れ歯にありがちな金属のベネがありません。入れ歯を装着していても、自然な見た目を演出できます。若い方をはじめ、人前に出る機会が多い方にもおすすめです。
Meritメリット
- 残っている歯全体で支えるため、歯への負担を軽減できる。
- バネを使用しないので、自然な見た目で補える。
- しっかりと固定できるため噛む力が伝わりやすい。
Demeritデメリット
- 保険が適用できないため自費診療になる。
- 日本ではまだ普及が少ないため、治療を行っている歯科医院が少ない。
コーヌステレスコープ義歯
コーヌステレスコープ義歯の特徴は、入れ歯が内冠と外冠の二重構造であり、それぞれが重なり合うことで固定できます。固定力が強く、しっかりと咬みやすい入れ歯です。コーヌステレスコープ義歯のイメージに近いのが茶筒です。茶筒は本体と蓋の間に生じる摩擦力が強いため、強く振っても蓋が外れる心配がありません。この状態を入れ歯で作り上げるには、非常に精度の高い入れ歯の作製が求められます。
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Point01
快適な噛み心地
入れ歯のフィット感が高く、快適な咬み心地が期待できます。残存歯への負担も少なく、歯とお口の健康にやさしい入れ歯です。
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Point02
唇に違和感がない
咬む際に残った歯に対する力が垂直方向にかかります。側方から力がかかるわけではなく、歯のぐらつきが始まっても、すぐに抜けることはほとんどありません。
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Point03
清掃性に優れている
入れ歯の土台となる歯は、筒状のシンプルな構造です。歯磨きがしやすく、清掃性の良さが魅力です。虫歯や歯周病の効果的な予防につながり、天然歯が長持ちしやすくなるのです。
Meritメリット
- バネ(クラスプ)がなく装着時も自然な見た目になる
- 義歯全体がコンパクトであり、装着時の違和感が少ない
- 入れ歯の修理が可能で長く使える
- 歯のグラつきを固定でき、歯の寿命を延ばすことができる
Demeritデメリット
- コーヌステレスコープ義歯に対応できる歯科クリニックが少ない
- 土台となる歯の一部を削る必要がある
- 総入れ歯には対応できない
リーゲルテレスコープ義歯
リーゲルテレスコープ義歯は、ドイツ発祥の入れ歯であり別名「ドイツ式テレスコープ」とも呼ばれています。リーゲルはドイツ語で「かんぬき(鍵)」を意味し、装着した入れ歯に鍵をかけるようにして固定します。
基本構造はコーヌステレスコープ義歯と同様です。まずはご自身の歯の一部を台形型に削ります。歯の表面には内冠にあたる金属製の特殊なキャップを装着し、入れ歯の内側部分のへこみ(外冠)と合わせます。
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Point01
固定力に優れている
入れ歯を装着する際に、歯の表側にある内冠と入れ歯の裏側の外冠を「かんぬき(鍵)」で固定します。フック型の鍵で入れ歯と歯を連結し、しっかりと固定されるため安定感が生まれます。
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Point02
歯を健康に保つ
内冠はつながっており、咬む際の圧力を周囲の歯に分散できます。圧力の分散は1本あたりの歯にかかる負担を軽減し、残っている歯の健康を維持しやすくなります。
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Point03
手術することなく使える
インプラントの場合は外科手術が必要です。一方、リーゲルテレスコープ義歯は歯を台形型に削る程度の処置であり、外科手術を伴いません。患者様の精神的・身体的負担の軽減に貢献するといえます。
Meritメリット
- 細かな調整に時間を取られない
- 歯への負担が少ない
- 強力な固定により、外れない
Demeritデメリット
- 保険が適用できないため自費診療になる。
- 土台となる歯を削る必要がある。
- 鍵の開閉を面倒に感じる場合も
レジリエンツテレスコープ義歯
上下のどちらか一方のあごの残存歯数が、3本~4本以下になった場合にレジリエンツテレスコープ義歯を適用できます。ご自身の残っている歯の根を抜かずに生かせられる治療方法です。審美面と機能面を兼ね備えた入れ歯です。ドイツのチュービンゲン大学で開発後、これまで130年以上の歴史を持ち、ヨーロッパで幅広く普及しています。
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Point01
外科治療の必要はありません
外科手術は不要であり、入れ歯はお口の中の粘膜で支える構造です。歯根膜を保存でき、咬む際の刺激が歯根膜を通じて脳に送られます。食事の楽しみが失われにくく、生活の質の向上も期待できます。
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Point02
審美的に優れた入れ歯
歯を失った箇所は骨吸収が起こり、お口もとのへこみが老けた印象を周囲に与えます。レジリエンツテレスコープ義歯であれば、お口もとのボリュームアップにつながり、ほうれい線が目立ちにくくなります。
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Point03
夜寝るときも取り外し必要なし
就寝時に入れ歯を外す必要がありません。食後は歯磨きと入れ歯の清掃をしていただき、再度装着した状態での就寝が可能です。
Meritメリット
- 金具がないので、見た目には入れ歯だとわからない
- 残存している歯が少なくても適用できる
- 寝るときに取り外さなくてもいい
- 顎の骨が少なくても使える
- 残っている歯への負担が少ない
Demeritデメリット
- 保険が適用できないため自費診療になる。
- 特殊な技術のため、対応できる医師が少ない。
ノンクラスプデンチャー

入れ歯を固定するクラスプが無く、ピンク色の特殊な樹脂によって固定します。
軽くて弾力があるため、見た目や付け心地の違和感が少ないのが特徴です。
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Point01
金属アレルギーの心配がない
一般的な部分入れ歯で使用されている金属のバネを使用しないため、金属アレルギーになる心配が無く、また、金属アレルギーの方も安心して使用できます。
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Point02
装着時に違和感が少ない
ノンクラスプデンチャーは床の部分を薄く作成します。そのため、実際に装着した時の違和感が少なく、ストレスになりにくいです。
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Point03
自然な見た目
バネの代わりに歯ぐきの色に近い樹脂を使用して作製しますので、装着した時の見た目が自然で、入れ歯とバレにくいです。
Meritメリット
- 金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がない。
- 金属を使用しないため、自然な見た目で使用できる。
- 薄く作製することで、使用時の違和感を減らす効果が期待できる。
Demeritデメリット
- 保険が適用できないため自費診療になる。
- 衝撃に弱い素材で、破損すると預かり対応になるため、歯のない時期ができてしまう恐れがある。
総入れ歯

総入れ歯は歯を全て失ってしまった際に用いる入れ歯で、歯茎や粘膜に吸着させることで安定させて使用します。
金属床

粘膜に接着する部分が金属でできています。
厚みが無いため装着時の違和感や、発音や会話への影響が少ない入れ歯です。
熱伝導性があるため食べ物の温度を感じることができ、お食事も楽しむことができます。
Meritメリット
- 保険診療のプラスチック(レジン)より頑丈で、薄く加工できる。
- 金属を土台に使うため、頑丈な義歯を作製でき、しっかり噛める。
- 金属から熱が伝わり、患者様が味覚を感じやすくなることで、より食事を楽しめるようになる。
Demeritデメリット
- 保険が適用できないため自費診療になる。
- 金属アレルギーをお持ちの患者様は使用できない可能性がある。
- 素材に重みがあるため、金属床を装着した際に違和感を覚える場合がある。
義歯(入れ歯)料金表
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金属床(部分入れ歯)¥330,000(税込)
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ノンクラスプデンチャー(部分入れ歯)¥220,000(税込)
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金属床(総入れ歯)¥495,000(税込)
入れ歯のメインテナンスについて

年を重ねるにつれて歯肉や顎骨は痩せていくため、口腔内の状態は常に変化しています。
ぴったり合った入れ歯を製作しても、徐々に合わなくなっていく恐れもありますので、定期的にメインテナンスを行うことが大切です。
合わない入れ歯はうまく噛めないだけではなく、歯茎を傷つける、痛む、土台となる歯が歯周病になるなどのトラブルを引き起こします。
定期検診を受診し、口腔内の健康を保っていきましょう。